FTXの崩壊とFTTの崩壊から得た重要な教訓

17 November 15:34

- 暗号資産投資家は、投資したい暗号資産プロジェクトについて十分な調査を行う必要があります。

- 投資家は、単一の資産に自己資本の10％以上を投資するべきではありません。

- 投資家は、リスクを軽減するために暗号資産ポートフォリオを分散させる必要があります。

- 暗号資産は、管理型ウォレットよりも非管理型ウォレットに保管する方が安全です。

はじめに

業界の雄と言われた暗号資産取引所FTXの破綻は、暗号資産やその他のデジタル資産に投資するリスクを暗号投資家に深く考えさせるものでした。かつては160億ドル以上の価値を持ち、活気に満ちていたビジネスが、1か月も経たないうちに債務超過に陥り、破産を申請したのです。これは、企業秘密の漏洩に始まり、72時間以内に60億ドル以上の価値がある資産を引き揚げるという軌跡をたどった末のことです。

本稿の目的は、FTXの破綻原因や破産申請に至った経緯にこだわることではなく、暗号資産投資家が今後数十年にわたって活用できる教訓を導き出すことです。機関投資家も個人投資家も、暗号資産分野に存在する潜在的なリスクを回避するためには、学ぶべきことがたくさんあります。

取引所や暗号資産の十分な調査

FTXの破綻から得られた最初の重要な教訓は、投資家は投資したい暗号資産取引所、DeFiプラットフォーム、暗号資産について徹底的な調査を行うべきであるということです。この調査には、プロジェクトの創設者、その背後にいるチーム、暗号資産や取引所の使用事例を理解することなど、いくつかの事柄を含む必要があります。

現実には、何百もの取引所があり、投資家が最適な取引所を選ぶことは非常に困難です。しかし、取引所のパフォーマンスをランク付けするプラットフォームが存在します。例えば、CryptoCompare は、そのレポートの中で最高の暗号資産をタイムリーに交換できるようにします。

調査を行う際には、その取引所がいつ設立され、長年にわたってどのような業績を上げてきたかを調べることが重要です。優れた業績を上げている取引所を選ぶのが一番です。例えば、2020年に運営を開始した取引所よりも、2013年から存在する暗号資産取引所に投資する方がよいでしょう。

暗号資産は非管理型ウォレットに保管

非管理型ウォレットとは、所有者が秘密鍵を完全にコントロールできるデジタルウォレットのことです。つまり、所有者が秘密鍵を渡さない限り、他の誰も暗号資産にアクセスすることはできません。管理型ウォレットでは、別の当事者がお客様の秘密鍵を管理します。取引所で見かけるウォレットは管理型ウォレットであり、非管理型ウォレットほど安全ではありません。

したがって、取引所に多額の暗号資産を保管している場合、その取引所が倒産したり、ハッキングがあった場合、それらを回収できない可能性があります。FTX取引所に暗号資産を保管していたほとんどのお客様は、それらを回収することができない可能性があります。

ポートフォリオへの投資額を合理的な水準に制限

暗号資産への投資に関する主なアドバイスの1つは、1ポートフォリオあたりの投資額を保有資産の10％以下に制限することです。

投資家は、投資ごとの目標限度額を設定する選択肢がありますが、複数のポートフォリオに資金を分散させることが重要です。その理由は、ある投資対象が失敗しても、他の機会に投資するための資金が残っているからです。FTXに全資金を投資した投資家は、そのすべてを失う可能性があります。

知っている暗号資産に投資する

もう1つのアドバイスは、様々な資産に投資を分散させることです。例えば、投資家はビットコイン、ETH、BNBなど、上位10位の暗号資産に複数投資する必要があります。また、時価総額で上位20位以内の暗号資産に投資することも可能です。そのような暗号資産は、例えばトップ100リスト外の暗号資産よりも、崩壊の可能性が低くなります。

トップランクの暗号資産 - CoinGecko

また、有望なユーティリティトークンを探すことも必要です。現在、多くの取引所がユーティリティトークンを保有しています。例えば、GateChain Token(GT)は、Gate.io取引所のユーティリティトークンです。しかし、適切な調査をせずにユーティリティトークンに投資するのは得策ではありません。根本的な目的があるのかどうか、広くリサーチする必要があります。価値ある製品やプロジェクトによってサポートされていない暗号資産に投資するのは非常に危険です。

一般に、取引所用のトークンは、保有者に取引手数料や割引の分け前が与えられるため、投資資産として適していると言えます。また、二次流通で取引されているケースもあります。

ベンチャーキャピタルの支援は、暗号資産の成功を保証するものではない

おそらく、FTXの破綻から得られた最大の教訓は、多くのベンチャーキャピタルの後ろ盾が、トークンやプロジェクトの成功を保証するものではないということです。FTXは、Iconiq Capital、SoftBank Sequoia Capital、Lightspeed Venture Partners、Tiger Global Managementなど、複数の大手ベンチャーキャピタルから支援を受けていました。

とはいえ、FTXはそうした後ろ盾があったにもかかわらず、崩壊してしまいました。最も重要なのは、ベンチャーキャピタルの後ろ盾の数よりも、暗号資産の基本、チームの誠実さ、ビジネス倫理やガバナンスの実践です。残念ながら、FTXの経営陣には誠実さと倫理的なリーダーシップが欠けていました。資金の不正流用は、その明確な証拠です。

優れたマーケティング努力は暗号資産の成功につながらない

FTXのケースから得たもう1つの大きな教訓は、大規模な広告がプロジェクトや暗号資産の成功を保証するものではないということです。
例えば、テニスの大坂なおみ選手、NBAのステファン・カリー選手、NFLのクォーターバックのトム・ブレイディ選手など、著名人がFTXの広告塔になり、多くのお客様の注目を集めました。その結果、注目を集め、多くのお客さまにご利用いただくことができました。

次に、FTXはメルセデスAMGペトロナスF1チームやメジャーリーグなど、いくつかの大きなイベントやスポーツチームのスポンサーを務めました。こうした広告活動は、FTXのお客様に安心感を与え、成功や持続性への期待感を抱かせるものでした。

しかし、FTXの破綻は、投資家がその広告や宣伝活動ではなく、そのビジョンやファンダメンタルに基づいて暗号資産プロジェクトに資金を投入するように誘惑されてはならないことを示しました。

プルーフ・オブ・リザーブの把握

多くの投資家が犯す間違いの1つは、暗号資産や暗号資産プロジェクトについてチームが提供するコミュニケーションに依存することです。FTXのケースは、Terra USDのケースと同様に、いくつかの暗号資産プロジェクトは、特にそのマイニング量について間違った情報を与えることが示されています。

マイニング量は、暗号資産プロジェクトの重要な構成要素です。したがって、投資家はプロジェクトが有するとする埋蔵量を確認する必要があります。また、暗号資産プロジェクトが監査済みのマイニング量の証拠を提供することも重要です。

暗号資産プロジェクトが所有する担保の種類も重要です。暗号資産プロジェクトの中には、自身のトークンや関係プロジェクトのトークンを担保にするものがあります。もし、そのファンダメンタルに大きな変化があれば、プロジェクト全体に悲惨な結果がもたらされる可能性があります。

負債レベルの制限

投資家として、負債は適度なものにすることが重要です。例えば、大きすぎるレバレッジに頼ると、価格が基準値を下回った場合に取引ポジションを清算することになります。FTXが犯した過ちは、姉妹会社のAlameda Researchに何百万もの資産を貸したことです。これがきっかけとなり、FTXは破綻しました。

まとめ

FTXの破綻は、私たちにとって貴重な教訓となりました。例えば、投資家は投資しようとする案件を徹底的に調査する必要があります。また、負債を制限し、ポートフォリオを多様化する必要があります。同様に、実績のある暗号資産や暗号資産取引所に投資する必要があります。

執筆者Mashell C.(Gate.io研究員)
この記事は、あくまで研究者の見解を述べたものであり、投資に関する示唆を与えるものではありません。
Gate.ioはこの記事に関するすべての権利を保有します。記事の再掲載は、Gate.ioを参照することを条件に許可されます。いずれの場合も、著作権侵害として法的措置を取ることとします。

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